NO RULES 書評

きっかけ

 会社員として組織に所属してから一年、金儲けの欲望関心が高まった年だなと感じています。こと就職に関して、一年前は技術にしか興味がなく、あとはお金持ってる企業に行けば環境もどうにかなるだろう、と今思えばすごく甘い考えで臨んでいました。

 さて、NO RULESですが、本書ではコロナ禍で需要爆発のNetflix、その企業文化について解剖しています。社会人Lv1の私にとって組織の本は全く食指が動きませんが、(今のところ)縁の無い成長企業の文化について単純に興味が湧いたのと、「うちの組織のイノベーションを抑圧しているものは何だろうな」と、ふと偉い人になったような錯覚を起こし、読んでみることに。

自由と責任のカルチャーとは何ぞや

 ズバリ、意思決定のプロセスを排除し、より多くのイノベーションを生み出すことに重きを置いた文化。

  • 社内の決まり事、いわゆる「規定」は組織の柔軟性を損ね、イノベーションを抑圧する。これを排除することで得られる「自由」
  • その代わり、入念に共有されるのが方針・コンテキスト
  • 自由を行使した結果には「責任」が伴う(チップとして自らの職を賭ける)

「自由と責任」の部分だけ抜き出すとかなり過激な組織に思えますが、社員が最高の環境の下で成長し続けるための方策について、多くのことが述べられていました。

 仮に製造業で同じことをしたら、責任の大きさが個人のレベルを超えてくことは容易に想像できますね(笑)首吊ってまう。そもそも日本の企業では成果が並みだからという理由でクビにはデキマセン。

感想

 別に組織が新しいとか古いとか、優劣があるとか、そういった批判をしている本ではありませんでした。その代わり、どうすれば自分が成長できるか、という問いに対してヒントを得ることができました。Netflixではフィードバックを頻繁に行う文化を醸成することで社員の能力の向上を図っていると描かれていました。今思えば、フィードバックを受け取れていたおかげで研究生活が成長に満ち、楽しかったのだということに気づきました。現在は仕事での開発テーマもなく、悶々とした日々を送っています。オープンな環境で、色々なの課題に突っ込んでいけるようなラフさを自分自身、求めているんだなと思います。

 実は、久々に書こうとしたきっかけが本書になります。「フィードバックを大切にする」を実行するための手段としてブログが思い浮かびました。最終章では、ネットフリックスのカルチャーを世界中の拠点に浸透させる過程で、地域拠点ごとにカルチャーマップを作成したことについて描かれていました。カルチャーマップには国ごとにコミュケーションの取り方が示されていましたが、日本のコミュケーションの取り方がNetflixと比べて見事に逆になっていたのが面白かったです。特異な国、日本。日本語の文章は、問題をあやふやにする傾向があり、率直な物言いは敬遠されがち。

 率直な意見が交わされやすい環境として、twitterやブログは適していると思います。自ら発信力あげていかないとなぁと思った次第です。自らの発信力を上げ、フィードバックを得やすくし、成長のループが作れたらきっと楽しい はず。